「キャリア」の2つの捉え方

「キャリアプラン」「キャリア形成」「キャリア面談」など「キャリア」とはよく聞く言葉です。
仕事に関連して使われることが多いですが、それ以外の捉え方で使われることも多くなってきました。
そもそもどういう意味でしょうか?


実は「キャリア」には広義での生き方と狭義での仕事における経歴・経験という2つの捉え方があります。

この記事ではキャリアの専門家である私が「キャリア」の2つの捉え方についてお伝えします。

キャリア「=経歴・経験」は言葉の意味、「=生き方」は概念

結論から言うと「キャリア=経歴・経験」は言葉の意味、「キャリア=生き方」は捉え方や概念です。

「キャリア」は英語の「career」をカタカナ表記にした言葉で、「キャリア=生き方」はキャリア理論家が提唱したキャリアの考え方になります。

実際「career」の意味を調べてみると、生き方という単語は見当たりません。

このように「キャリア」には言葉としての意味と理論家が提唱した概念に基づく捉え方の違いがあります。

言葉としての意味

ここでは言葉としての意味を見ていきます。

先程もお伝えした通り「キャリア」は英語の「caeer」をカタカナ表記した言葉です。

実際に調べてみると、「職業、専門職、経歴、職歴、通り道、全力走」などが出てきます。

career
・〔一生の仕事とする〕職業、専門的職業
・経歴、職歴、キャリア
・経路、通り道
・全速力、疾走

引用元:https://eow.alc.co.jp/search?q=career

また厚生労働省も「「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。」と元の意味になぞらえて定義づけています。

概念としての捉え方

次に概念としての捉え方を見ていきましょう。
「ライフ・キャリア」という考え方を提唱したのがキャリア理論家ドナルド・スーパーです。

「ライフ・キャリア」とは人生における個人の役割にフォーカスした考え方です。

生まれた時から死ぬときまで人は複数の役割を持ち、さまざまざなライフイベントの中で生きています。

そのため仕事だけではなく生き方としてキャリアを考える必要があるというものです。

この考え方をわかりやすく表したのがライフキャリアレインボーと呼ばれる図です。この理論が提唱されたのが1950年代なので寿命を80歳で想定していますが、100歳まで引き延ばしても根本的な考え方は変わりません。


実際、仕事におけるキャリアを考える時にも結婚や介護、育児なども考慮しながら考えますよね?

「ワークライフバランス」という言葉も徐々に浸透し、仕事だけではなくプライベートの充実も重要視されたことでスーパーの概念、「キャリア=生き方」という考え方も浸透しています。

まとめ

以上、「キャリア」という言葉の2つの捉え方についてお伝えしました。


1つは英語の意味から来ているもの。
もう1つはキャリア理論家が唱えた考え方から広まった捉え方
です。


ご自身のキャリアを考える時にはぜひこの2つの捉え方で考えてみることがオススメです。