「キャリア」の言葉の意味って何?

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・「キャリア」の意味は?
・キャリアとノンキャリアって聞くけどどう違うの?
・なんかいろんな捉え方があるみたいだけどどういうこと?
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こんな疑問にお答えします。
この記事で「キャリア」という言葉の意味や定義、様々なシーンで使われる使い方の違いがわかります。

別の記事「「キャリア」の2つの捉え方」でも意味には少し触れていますが、この記事ではより「言葉の意味」にフォーカスしてご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!


辞書の意味

「キャリア」を辞書で調べてみるとこのような意味が出てきます。

キャリア【career】の解説
《「キャリヤ」とも》
1 職業・技能上の経験。経歴。「―を積む」「―不足」
2 上級試験や一種試験に合格し、採用された国家公務員。「―組」
引用:goo国語辞書


キャリア【carrier】 の解説
《「キャリヤ」とも》
1 自転車などの荷台。
2 物を運搬する器具。台車など。
3 ⇒担体 (たんたい) 
4 保菌者。体内に病原体を保有しているが、まだ発病していない者。感染源となりうる。
5 「コモンキャリア(通信キャリア)」の略。
6 ⇒搬送波
引用:goo国語辞書

語源

「キャリア」は英語をカタカナ表記したもので、元の単語は辞書を見てもお分かりの通り、「career」と「carrier」から来ています。

careerの意味

まず「career」から見ていきましょう。

career
【名】
1.〔一生の仕事とする〕職業、専門的職業、経歴、職歴、キャリア
2.経路、通り道、全速力、疾走
【自動】
1.疾走する、全力で突き進む
【形】
1.〔一生の〕職業の、専門職の
引用:英辞郎on the web

この言葉の語源は中世ラテン語の「車道・わだち」が起源となり、英語で競馬場や競技場のコースやトラックを意味し、そこから人のたどる道、足跡になぞらえて「career」の意味ができたと言われています。

carrierの意味

次に「carrier」を見ていきましょう。
carrier
【名】
1.運ぶ人、運搬人、運送[輸送]業者
2.運ぶための道具[装置・手段]、運搬装置、運び台、担体
3.キャリヤ、通信事業者、回線業者、電話会社
4.〔赤ちゃんを背負うための〕しょいこ、だっこひも
5.《医》保菌者、保因者
6.航空母艦◆【同】aircraft carrier
7.航空会社
8.伝書バト◆【同】carrier pigeon
9.搬送波◆【同】carrier wave
10.保険会社
引用:英辞郎 on the web

この言葉の語源はラテン語の「車」から来ています。まさに運ぶという感じですね。

関連することば

この記事では「career」の方を詳しくみていきたいと思います。

「キャリア(career)」の類似語や言い換える言葉としては、経歴、職歴、来歴、履歴などが良く使われています。特に「経歴」を言い換え言葉として使われることが多いようです。

「経歴」の意味

ではその「経歴」とはどんな意味でしょうか?
こちらも調べてみると、このような意味が出てきます。

けい‐れき【経歴】 の解説
[名](スル)
1 今まで経験してきた仕事・身分・地位・学業などの事柄。履歴。「―を偽る」
2 実際に見聞きしたり体験したりすること。経験。
「凡 (およ) そ前日来―した事を問われる儘 (まま) に、はっきり答えた」〈鴎外・最後の一句〉
3 年月を経ること。年月の過ぎ去ること。「百余歳の星霜を―す」
4 ある地域内をめぐり歩くこと。
「山河を―し又南費府に至る」〈東海散士・佳人之奇遇〉
引用:goo国語辞典

「キャリア(career)」の語源に近く、その人のそれまでの歩みや経験を意味していることが分かります。

厚労省と文科省の定義の違い

これまで言葉そのものの意味を見てきました。
ここからは少し概念的な意味も見ていこうと思います。
私もキャリアコンサルタントとして日常的に「キャリア(career)」をよく使いますが、さまざまな捉え方があります。そこでまずは厚生労働省とも文科学省の捉え方・定義を見ていきたいと思います。

厚生労働省の定義

厚労省のキャリアコンサルタント向けサイトでは「キャリア(career)」をこう定義しています。


「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html

また、「「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書について」の中でもこのように述べています。


「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
引用:「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書について

つまり厚労省は「キャリア(career)」を主に職業を中心とした経験や経歴として定義づけていることがわかります。”

文部科学省の定義

では文科省はどうでしょうか。みていきましょう。
文科省は「キャリア教育」の手引きの中で、このように定義づけています。

 本『手引き』では,「キャリア教育」の「キャリア」を「人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,
自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね
」ととらえることとする。
中略
「働くこと」については,職業生活以外にも家事や学校での係活動,あるいは,ボランティア活動などの多様な活動があることなどから,個人がその学校生活,職業生活,家庭生活,市民生活等の生活の中で経験する様々な立場や役割を遂行する活動として,幅広くとらえる必要がある。
引用:キャリア教育とは何か(文部科学省)

つまり文科省は「キャリア(career)」を幅広く定義していることがわかります。

キャリア理論的定義

次に「キャリア(career)」の専門家、キャリアコンサルタントが学ぶキャリア理論における定義をみていきます。

コラム「「キャリア」の2つの捉え方」の中でもご紹介したドナルド・E・スーパーの「ライフキャリアレインボー」が「キャリア(career)」とはどういうことかを定義しています。

スーパーは「キャリア(career)」は=職業だけではなく、人生における年齢や役割(ライフロール)の組み合わせによって変化し、人生において社会や家庭の中で様々な役割の経験を積み重ねて自分の「キャリア(career)」を形成していくとしています。

また、他のキャリア理論においても職業経歴だけにフォーカスした理論よりも人としての発達理論などを通して「キャリア(career)」を考えることからも、キャリア理論における「キャリア(career)」の定義は「キャリア=人生・生き方」といっても過言ではないと考えられそうです。

公務員と一般企業での定義の違い

ここからはもう少し身近なところで「キャリア(career)」という言葉をみていきます。
意味や定義というよりも独自の捉え方や印象の話になります。

公務員

よくテレビなどで「キャリアとノンキャリア」という言葉を耳にしませんか?
これは公務員において違いが定義づけられている俗称です。


キャリア官僚:国家公務員採用試験I種に合格して採用された幹部候補
ノンキャリア:キャリア官僚以外の公務員

キャリア官僚とノンキャリアの現場刑事のドラマ「踊る大捜査線」をはじめとする多くの刑事ドラマに登場するので広く知られることとなった呼び方です。

一般企業

では公務員ではなく一般企業のなかではどうでしょうか?
公務員のような明確な区分は実はありません。
ただ「キャリアとハイキャリア」というような言葉も聞きます。これは私の意見ですが一般企業でも公務員の「キャリアとノンキャリア」のようにするため、役職の高い人をハイキャリアとし、それ以外の人をハイキャリア以外としているのではないかと考えています。

まとめ

今回は「キャリア(career)」の言葉について詳しく見ていきました。
・言葉そのものの意味や元の言葉
・概念的な定義
・一般的な俗称


言葉の意味から様々な解釈が生まれ、定義づけがありますが、seeds-c careerでは「キャリア=生き方」と捉えています。
それは「自分らしく生きる」ということを考えた時に仕事だけではなくそれ以外の時間や役割も非常に重要になってくるからです。
みなさんはどのように自分の「キャリア」を捉えますか?

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