キャリアプランの作り方と押さえるべきポイント

「キャリアプラン」は作った方がいいのか作らない方がいいのか?
結論としては作った方がいいです。なぜなら地図がないまま森の中をさまようようなものだからです。
この記事では「キャリアプラン」の作り方のポイントを押さえてご紹介します。

キャリアプランとは?

キャリアビジョンを達成するために必要な行動計画

「キャリアプラン」とはどういう人生を自分はは送りたいか思い描く理想(キャリアビジョン)に近づき、達成させるために必要なプランです。プランが必要なのは、理想のゴールがあってもどのように目指すのか、必要なもの(スキルや経験、お金など)がわからなければゴールに到達できない、あるいは思いっきり遠回りをすることになるからです。

キャリアプランを料理で例えてみる

料理作りに例えてみるとわかりやすいと思います。
料理サイトや本を見て「作って食べてみたい!」と思った料理があるとしましょう。この「作って食べてみたい!」がキャリアビジョン=ゴールになります。


「作って食べてみたい!」と思ったもののイメージ写真だけではどんな味かもわからず、この状態で作り始めたらどうなるかわかりません。なんとなく作り始めたものの途中でイメージと違うものになっていたり、なんとなく味がイマイチだったりで、結果、イメージ通りのものができなかったり、作り直さなければいけなくなります。


ちゃんとイメージ通りの料理を作る時に必要なのが、材料や分量、必要な調理器具、そして手順です。レシピがあってレシピ通りに従って作れば、「作って食べてみたい!」と思った料理ができ、美味しく食べることができます。
これと同じでキャリアプランを料理レシピに例えるならこのような感じです。

・必要な材料や道具:自分が持っているスキルや経験
・レシピ:具体的な行動

手元にある材料や道具を確認し、足りないものがあれば買い足したり、誰かに借りたりして補うのと同様に、もし足りないスキルや経験があればどこかで補う必要があることがわかります。不足している材料はどこで調達できるのか、どこで作るのか、作る時に気を付けなければいけないポイント(=リスク)は何か?それらをどうやって調理(=行動)するのか?を考えていくことが「キャリアプラン」を考えるということなのです。

キャリアプランはなぜ必要か?

やみくもにゴールをめざすと迷子になりゴールにたどり着けなくなる

イメージだけで料理を作った結果「こんなはずじゃなかった」となってしまう可能性が高いように、キャリアもやみくもにゴールを目指すと「こんなはずじゃなかった」ということが起こり、迷子になってしまいます。


思い付きや目先の事を優先して場当たり的に行動していては、やりたくないことを嫌々やることになったり、なぜそれをやっているのかわからなくなり、モチベーションが下がる結果に繋がるからです。

かくいう私自身が人生の迷子でした。
漠然とした将来のビジョンを持っていたものの、プランを全く考えていなかったため様々な業界や職種をやる中で、「結局自分は何がしたいんだろう。自分の存在価値って何だろう」と考えるようになり、迷子になりました。さながら樹海にでも迷い込んだような感じです。

迷子になっている最中に、たまたま「今度はこっちに行ってみよう」と進んだ先が、運よく今の場所にたどり着き、自分のビジョンとプランを考えられるようになりました。ここまで来るのに40年近くを費やしたことになります。もし今回選んだ道が自分にフィットしない道だったら、未だに彷徨っていると思います。

この自分の経験からもやみくもに動き続けるより、プランを考えることの必要性を感じます。

アンテナがたつ

別の観点ですが、ゴールとプランがわかると常に意識するようになり、必要な情報をキャッチしやすくなります。
アンテナが立つと何か自分にとってのチャンスになることが出てきた時にそれを掴みやすくなりますし、逆に掴まない選択もしやすくなります。


なぜならプランやゴールに合うか合わないかを考え判断することができるからです。
これにより無駄に時間やエネルギーを費やすことが減り、本当に力をかけたいところにかけることができるようになるメリットもあります。

キャリアプランを作る7つのポイント

では、ここからは具体的な作り方のポイントをご紹介していきますが、大事なルールがあります。それはまず思いつくままに書き出してから整理するということです。

最初から整理して書こうと思っても、ランダムにさまざまな考えやアイデアなどが浮かんできます。それを後回しにすると忘れてしまったり、抜け漏れたりするので、まずは浮かんだものをとにかく書き出すことをオススメします。

7つのポイント
1:大切にしたい価値観を明確にする
2:理想と理想じゃないことをリストアップ
3:キャリアビジョンを考える
4:現在地を知る
5:逆算して考える
6:手段は複数考えておく
7:ざっくりでいいので中間目標を決めておく

1:大切にしたい価値観を明確にする

まず自分が大事にしたい価値観を明確にしましょう。

価値観とは何か決めたり優先順位を付ける時の軸になるものです。
例えば「人に優しくありたい」、「責任もってやり遂げることを大事にしている」、「人との協調性を大切にしている」といったようなものです。

価値観には2つの種類があります。

変化する価値観と変化しない価値観です。
変化する価値観:環境や経験などによって変わるもの
例:昔は役職や肩書が大事だったけど今はちがう
変化しない価値観:昔から基本的に大事にしていること
例:昔から人に優しくしたい想いは変わっていない

【考える手順】
・大切にしたいことを思いつくままに書き出してみる
・振返って変化した価値観か、変わらない価値観か振り分けてみる

この2つの価値観を明確にしておくといいのは、変化しない価値観は今後も変わらず大事にいていきたい価値観である可能性が高いのに対し、変化する価値観は今後も変わる可能性があります。
そのため、何か決めたり優先順位を考える際に、変化しない価値観を中心に考えた方が、後々大きな軌道修正をしなくて済む可能性が高まるからです。

2:理想と理想じゃないことをリストアップ

次に人生でやりたいこと/ ありたい姿とやりたくないこと/ こうなりたくない姿を書き出してみてください。
やりたいことがわからなくても、やりたくないことを考えているうちに、やりたいことが見えてくることもあります。また「やりたくないこと、やりたくない未来」にならないために必要なプランを考えるということもできます。

3:キャリアビジョンを考える

大切にしたい自分軸と方向性が見えてきたら、そこから自分の思い描く理想を考えてみましょう。漠然としたものより具体的であればあるほどいいです。

例えば漠然と「幸せになりたい」よりは「どういう状態を幸せと感じるのか」や「どうなっていることが幸せなのか」やその時住んでいる場所や誰が周りにいるのかなどの具体性です。具体的な方がプランも立てやすいのです。

4:現在地を知る

将来を思い浮かべることができたら、「今」どうなのかを考えます。現在地とゴールにある距離やギャップをしっかりと把握するためです。

主に今自分が持っているスキルや経験を書き出してみましょう。
ここでいうスキルや経験は仕事に限る必要はありません。とにかく今自分ができること、やってきたことを考えます。

なかなか考えるのが難しいという場合は身近な人に聞いてみたり、プロと一緒に考えることをオススメします。

5:逆算して考える

なんとなく地図ができあがり、ゴールと現在地のギャップが見えてきたら、どうやってそのギャップを埋めていくかを逆算しましょう。

ポイントは現在に近いところほど具体的で実行可能な行動を考えることです。
プランを立てる時に陥りがちなのが、計画を立てている時にはモチベーションが高いので頑張ろうとし過ぎて結局実行に移せないことです。実行できなければせっかくのプランも台無しになってしまうので、「今」に近ければ近いほど現実出来できるスモールステップを考えてみましょう。

6:手段は複数考えておく

プランを考えて実行していく上で大事な前提があります。それは「プラン通りにならない事の方が多いと思っておく」ことです。
「じゃあ、プラン何て立てる必要ないじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、プラン自体は先程お伝えした通りアンテナを張るためにも必要です。

ただ「プラン通りに進まなければいけない」と強く思ってしまうと、逆に視野が狭くなり思うように進まなくなります。そのため、「計画通りにはいかないよね~」くらいのおおらかな気持ちでいた方が、何か変更しなければいけないようなことが起きた時に柔軟に対応ができるのです。

また、プランはあくまで現時点で考えられる仮説なので、考えた一つが最適とは限りません。なので、情報収集したり実際に行動して振返った体験からの学びの中から自分に合った方法を見つけたり、軌道修正するためにも、いくつか手段を考えておくと柔軟に行動できるようになります。

7:ざっくりでいいので中間目標を決めておく

プランができてきたら中間目標を決めておくといいです。キャリアプランは何十年も先のゴールを目指すので持久力が必要です。中間目標を決めておくとその都度振返って軌道修正もしやすく、できたことできなかったことも把握しやすいので、モチベーションを維持することができるからです。

プランを作った後のポイント2つ

プランが立ちました。プランができただけではゴールにはたどり着けません。プランに沿って実行することが非常に重要です。

PDCAをまわす

先程「プランは現時点で考えられる仮説」とお伝えしました。未来のことは誰にもわかりません。それを現実に引き寄せていくにはPDCA(計画、実行、チェック、改善)を回して、仮説を検証し常にアップデートする必要があるのです。

それに今後何十年の中には予期せぬ出来事が起きたり、ゴール自体に違和感を感じたりすることも出てきます。そうなったときに軌道修正したり、変更したりする必要がありますが、どのように軌道修正したらいいのか、どのように変更したらいいのかは今からやってみた経験がなければ考えようがないのです。

つまりやってみないとわからないことは山ほどありますし、やってみたからわかることも山ほど出てくるのです。そして実行して良かったところも改善点も振り返り次に活かすのループで徐々にゴールに近づいていくのです。

途中でゴール自体が変化したらどうするか

ゴール自体が変わる、変えることを余儀なくされるようなこともでてくるでしょう。そんな時は焦らず落ち着いて、一度考えたとおり同じようにプランの練り直しをすればいいのです。
最初にキャリアビジョンやプランを考える時はと時間がかかったり、面倒だなと思うこともあると思いますが、2回目以降は手順もなんとなくわかっていますし、重複するようなこともあるので1回目よりはスムーズに考えられると思いますよ。

まとめ

「キャリアプラン」を考えるのは正直楽なことではないと思いますが、一度きりの人生です。これを機会に自分の人生を思い描いて、それを実現させるために考えてみてはいかがでしょうか?